Asako Yuzuki

柚木さんは私にとって

(ロアルトダールの本に出てくる)

Matilda的存在だと思う。

つまり本の趣味が合って、

本から魔法の世界を生み出す人。

 

私は中学生で「本屋さんのダイアナ」

読んで以来、柚木さんが好き。当作品では

正反対の生い立ちや性格の女の子2人が

1冊の本で繋がるというストーリー。

2人ともどこか少しずつ、自分に

重なるところがあって応援しながら

読んだ。また、その2人(大穴と彩子)は

私のバイブルだった「赤毛のアン」

アンとダイアナに似ていて、今考えると

私がハマらない訳がないと思う。

 

因みに作品内に出てくる本のうち、

「大草原の小さな家」「若草物語」

「赤毛のアン」「秘密の花園」など

兄弟姉妹や腹心の友と共に成長する話は

ストーリー内でオマージュもされている。

「ライ麦畑でつかまえて」やブロンテ姉妹の

「嵐が丘」、「ジェーン・エア」。さらに

「ボヴァリー夫人」「風と共に去りぬ」は

彩子と同じく、私も中学生で読破した。

同じといえば私も大穴のように中学生の時

森茉莉にハマった時期があったし、

高校生や大学生で向田邦子に憧れた。

他にもいろいろあるけれど、書ききれない程

共感部が多く、読み進めると本好きな人は

盛り上がるはず。大穴も彩子も

本好きな女の子の代表として柚木さん自身を

モデルとしたのではないかと思っている。

 

柚木さんのお話は絵本のような

小説が多く、それは恐らくある記事で

読んだように柚木さんが幼少期に

「マドレーヌ」シリーズの絵本を

よく読んだことが関係すると思う。

実は私もそのシリーズを愛読しており、

親近感が湧いた。また、子ども時代の

憧れを文章にしたような柚木さんの

ストーリーの根源となったのだと思った。

好奇心旺盛な女の子が描かれた作品は

魅力的になる!!!!

 

※他にも柚木さんは幼少期に

「名探偵カッレくん」「長靴下のピッピ」

「ゆかいなヘンリーくん」シリーズ、

「おもしろ荘の子どもたち」など

私にとって懐かしい本を読んだと

列挙されており、その選書センスに共感。

 

他の柚木さんの著作も

様々な年代ではあるけれど女の子たちを

主人公に現実的なストーリーの中に

絵本のような輝きを放つものが多い。

 

柚木さんの他私的オススメは以下作品。

私にふさわしいホテル

→主人公のアドリブ力が毎回楽しみ。

マジカルグランマ

→社会問題に切り込みつつ童話のような

雰囲気を醸しているところが好き。