· 

Art tour in Hakone

🎨ポーラ美術館

「水を蹴る-仙石原」

水を蹴った後に、水面に映る景色が
ぼやけた時のような絵で何故か
とても癒された。
しかし解説を見てみると、
水面に映る世界は少しの揺らぎで
崩れてしまうように世界は脆い、
ということを表現していると知った。
美しいものの儚さを思った。


「部屋の見る夢」

ボナールからティルマンス、

現代の作家まで 


「部屋」は今の私たちにとっては

外出制限下のコロナ禍で
多くの日々を過ごした場所であるが、
そんな身近な「部屋」を
テーマにした展覧会は初めてで
面白く感じた。

また、昔から様々なアーティストが
「部屋」をキーワードとして
作品を作っていたことが分かったが、
全く違う見方で興味深かった。
身体を休ませるベッドや
部屋の外を見ることのできる窓、
外界との入り口である扉に
着目したものもあった。

それは部屋が
外界と隔たりがあるからこそ、
安心できる空間であると同時に
閉塞感のある空間でもあるからだ
と気がついた。

例えば19Cには
「室内画」のジャンルがあったが、
女性目線と男性目線では
家族の描き方が異なり、それぞれの
部屋に対する受け取り方が違った。
女性にとってはその時代、
部屋が生活空間の大半を占め、
絵の中の女性たちは皆、
生き生きとして見えた。それに対し
男性にとって部屋は家族と過ごす、
プライベートな空間で
その中にいる妻や母といった女性は
部屋のパーツの一部のように
存在することが必然的に感じる、
描き方をしていた気がした。

また部屋は特に、
アーティストたちにとっては
プライベート空間として
「探究の場」でもあったと思う。
光・色彩・空間表現を試した、
ナビ派やマティスなどが挙げられる。

加えて部屋をまるで舞台のように
作り上げたアーティストたちもいた。
リラックス出来ない水玉模様のベッドは
言わずもがな草間彌生で、写真家の
ヴォルフガング・ティルマンスは
物語の一部を切り取ったかのように
部屋を写していた。初めて作品を見た、
双子のアーティストユニットである、
髙田安規子・政子の窓の作品や
佐藤翠、守山友一朗のクローゼットは
ナルニア国物語のクローゼットや
ドラえもんのどこでもドアのように
部屋の中にある、もう一つの世界への
入り口を想起させて面白かった。

POLA MUSEUM



🌟星の王子さまミュージアム

初めてそしてラストの訪問となった。
3月いっぱいで閉館らしい。
意外に美術館が広くて、
街が併設されたような謂わば
アミューズメントパークで驚いた。
星の王子さまの作者である、
サン=テグジュペリのイメージは
パイロットだったが、意外にも
パイロットとして活躍した期間は短く
かつ、遅咲きだったと知って驚いた。
砂漠で奇跡的に生き抜いたエピソードや
仲間を助けたエピソードから、
努力と仲間の大切さを知った。